物流業界ではよく共同配送(共配)という言葉を耳にする事が多いと思いますが、意味や目的を曖昧な状態で理解している方は多いでしょう。
本記事では現役ドライバーである私が、共同配送(読み方:きょうどうはいそう)について具体的に分かりやすく解説するので参考にして下さい。
共同配送(共配)とは
共同配送とは、簡単に言うと複数の荷主が商品を置く場所やトラックを共有して、効率的に配送する取り組みの事です。物流業界ではほとんどの場合、略して共配(読み方:きょうはい)と呼ばれています。
(以下、共配と表現)
言葉だけで伝えるのは非常に難しいので、共配を利用しない場合と共配を利用した場合の違いを、画像を利用しながら解説していきます。
共配を利用しない場合
まずは共配を利用しない場合の配送イメージです。
【共配を利用しない場合】
共配を利用しない場合は、初荷主(メーカー)は各々トラックを手配して着荷主(物流センター、問屋)に商品を届けます。
ここで着荷主の建物が以下の条件だとします。
そして物量が以下の条件だとします。
共配を利用しない場合は、メーカーが各々トラックを手配するので、全部で6台のトラック(大型トラックが2台、4tトラックが4台)が必要となります。
※4tトラックの分は、実際にはおそらく2tトラックでも大丈夫だと思いますが、混乱を避ける為4tトラックを使用するものとします。
メーカーから物流センターや問屋に納品される荷物の量がトラック満載なら何も問題がありませんが、実際には例で示した様に荷物の量があまり無い状態で配送する事がよくあります。
1台当たりのトラックの荷物がスカスカの状態ならとても効率が悪い事がお分かり頂けるでしょう。
共配を利用すればもっと効率良く配送出来る様になります。
共配を利用した場合
共配には様々なタイプがありますが一般的な共配は、共配センターを利用します。
※共配センターを利用しない共配については後述します
では今度は共配を利用した場合の変化を見てみましょう。
【共配を利用した場合】
※比較用としてもう一度【共配を利用しない場合】の画像を貼ります
画像だけでも何となくどの様に納品されているかイメージ出来ると思いますが、大型トラックと4tトラックの荷物の動きについて文章でも解説します。
共配を利用した場合としない場合に、どの様な違いがあるのかまとめます。
共配を利用した場合 | 共配を利用しない場合 | |
トラック台数と積載率 | 大型トラック1台 ⇒積載率100% 4tトラック1台 ⇒積載率100% | 大型トラック2台 ⇒各トラックの積載率50% 4tトラック4台 ⇒各トラックの積載率25% |
納品に来るトラック台数 | 問屋Aは1台のトラックで メーカーA、Cの商品を受け取れる 問屋Bは1台のトラックで メーカーB、Dの商品を受け取れる | 問屋Aは2台の トラックから納品される 問屋Bは2台の トラックから納品される |
共配を利用すると、いかに効率が良くなったかお分かり頂けたでしょう。
共配のメリット・デメリット
共配にはメリットがありますが、当然デメリットもあるのでまとめます。
その他の共配について
先程共配センターを利用するタイプの共配を解説しましたが、最近になって様々な企業が共配を取り入れる動きがあるので関連した記事を紹介します。
【トラックの空きスペースを共有する共配】
株式会社ファミリーマート(本社:東京都港区、代表取締役社長:細見 研介、以下「ファミリーマート」)と株式会社ローソン(本社:東京都品川区、代表取締役 社長:竹増 貞信、以下「ローソン」)は、4月11日(木)から東北地方の一部地域において、アイスクリームや冷凍食品などを対象とした両社の物流拠点間の輸送を行います。
両社の商品を同じトラックに混載し、共同で輸送することで車両台数およびCO2排出量削減を目指します。
【稼働してないトラックを共有する共配】
本スキームは、コカ・コーラ ボトラーズジャパンの店舗配送トラックが時間帯によって稼働していないときに、ファミリーマート店舗への常温商品配送に使用することで、同一車両を2社で有効活用するというものです。
物流は個々の会社だけで行ってしまうと、どうしても積載率が悪くなったり、空荷状態の走行が増えてしまったりします。
他社と協力して共配を取り入れていけば配送の効率が良くなるので今後は、更に共配が増えていくでしょう。
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