よくニュースで物流2024年問題を取り上げられている時は必ずと言ってよい程、荷主(読み方:にぬし)という言葉を耳にする事があるでしょう。
本記事では、荷主について解説します。
つまり荷主と一言で言っても発荷主と着荷主の2種類があるので、単に荷主という言葉を使われたとしてもどちらの荷主の事を指しているのかよく分からないという方も多い筈です。
発荷主と着荷主について理解すれば、単に荷主という言葉が使用された場合にもどちらの荷主を指しているのか分かる様になります。
本記事では、現役トラックドライバーである私が、発荷主と着荷主と運送会社の関係性について解説します。荷主について詳しく知りたいという方は参考にして下さい。
運賃を払う方は発荷主
先述した様に、荷主には発荷主と着荷主がいますが運送会社にとっての直接的な取引先は、ほぼ発荷主側となっています。
なので運送会社に運賃を支払う方はほぼ発荷主の方です。
よく2024年問題のニュース等で運送会社が運賃値上げの交渉をしている場面を見る事が多いと思いますが、多くの場合は発荷主に交渉しています。
しかしながら、運賃値上げを渋っている光景を見る事も多いでしょう。何故かと言うと運賃を間接的に支払っているのは着荷主だからです。
次に詳しく解説します。
着荷主が間接的に運賃を払っている
着荷主は発荷主側の顧客にあたります。
発荷主が、着荷主から注文を受ける事によって商品等を届ける役割として運送会社に仕事が回ってきます。
ここで注目すべき点があります。
運賃そのものは、ほぼ発荷主が運送会社に払いますが、発荷主はどこから運賃を出しているのかというと、着荷主に商品等を売った時の粗利から支払われています。
※直接的に運賃として請求している場合も有り
つまり運賃を運送会社に直接的に払う方は発荷主ですが、着荷主が間接的に払っている事になります。
なので初荷主が着荷主との取引で赤字ギリギリのラインで行っている様であれば、運賃を上げるとなると発荷主が着荷主に対して値上げ交渉をしなければならなくなります。
この様な事がメーカーから問屋(商社)から小売店へと繋がり、結局のところ運賃を引き上げるとなると末端の小売価格にも響いてしまうので、運賃の値上げ交渉がなかなか上手くいかないのでしょう。
トラックドライバーの労働時間が長くなるのは着荷主の影響が大きい
最後になりますが、トラックドライバーの労働時間が長くなる原因について触れていきます。
トラックドライバーの労働時間が長くなる原因としては実際のところ着荷主が原因である事がかなり多いです。
(もちろん初荷主側が原因の場合も有り)
例えば時間指定で着荷主の元に着いたとしても、結局荷降ろし出来ずにそこから数時間待機させられる事は割とよくあります。
つまり、トラックドライバーが労働時間を減らすためにいくら努力しても、着荷主の元で全て無意味になってしまう事は決して珍しくありません。
例えば荷積み時間、ルート、走行速度等を最適化して1時間の無駄な時間を減らせたとしても、着荷主の元で2時間以上の無駄な時間が生じてしまう、なんていう事はよくある話です。
しかしながら初荷主は、顧客の着荷主には強く言えない部分がありますし、トラックドライバーの立場からしてみても当然強く言える訳ではありません。
トラックドライバーが出来る唯一の手段として、トラックGメンに通報する事ですが、果たして改善はされていくのでしょうか?
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