本記事では、運送業界でよく耳にする「水屋(みずや)」について解説します。
本記事では、現役トラックドライバーである私が水屋の存在意義や問題点等を解説しますので、水屋について詳しく知りたい方は参考にして下さい。
水屋を利用した方が依頼する側は楽
水屋はただのピンハネ等と悪く言う人もいますが、もちろん必要だから存在しています。
結論として、傭車を依頼する側は水屋を利用する方が手間が省けます。何故かと言うと水屋に依頼すれば水屋が複数の運送会社に声をかけてくれるからです。
傭車をたくさん必要とする大手運送会社の配車係の視点で見てみましょう。
例えば急に仕事量が増えて傭車をいつもよりも余計に手配しなければならなくなった時に水屋と取引がある場合とない場合を比べてみます。
窓口が少なくなれば余計な仕事が減るので依頼する側は楽です。
小規模の運送会社には水屋が必要な理由
水屋は小規模の運送会社にとっても必要な存在です。
理由は以下の通りです。
小規模の運送会社だとトラックが5台程しかない所もあります。これからトラックの台数が5台程しかない様な運送会社を想定して解説します。
大手から相手にされづらい
小規模の運送会社が大手から相手にされづらい理由は以下の通りです。
- 増車を依頼しても対応できない場合が多い
- 従業員が何らかの理由で突然休みになると代走出来る人もいなくて突発的な休車になりやすい
小規模の運送会社は上記の様に臨機応変に対応できない場合が多いので、傭車を依頼する側は小規模の運送会社と直接やりとりを行うよりは水屋を介した方が都合が良い訳です。
営業活動する余裕がない
小規模の運送会社の場合は社長ですらドライバーとして働いている所もあります。
従業員の労力をドライバー以外になかなか充てられないので、営業活動も満足に行えません。営業活動する余裕がない会社にとっては水屋の存在は必要不可欠です。
実際に水屋から仕事を振ってもらう事によって成り立っている運送会社はたくさんあります。
ここまでは水屋の必要性について述べましたが、次は水屋の問題点について触れます。
水屋の問題点として
水屋の問題点として多重下請け構造を生み出すという点です。
水屋から直接傭車を手配出来れば何も問題はありませんが、問題となるのが水屋から水屋に渡り何重にも業者を挟んでしまう事です。最終的に仕事を請けた運送会社はたまったものではありません。
本来であれば水屋は仕事内容をしっかりと把握しなければなりませんが、単なる横流しだけ行う様な業者が何重にもなる事が問題となっています。
そこで政府は多重下請け是正へ向けて動きが見られました。
輸送業務の委託を重ねる「多重下請け」を是正するため、元請けの運送業者に取引管理簿の作成を義務付けることなどを盛り込んだ。
貨物の輸送を依頼する荷主と物流を担うトラック事業者の双方に規制を導入し、運転手が適正な運賃を受け取れる環境づくりや長時間労働の短縮につなげる。
どこまで効果が得られるのかは分かりませんが、仕事を請ける側としたらせめて二次までというのが本音です!
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