本記事はトラックの運転方法についてまとめた内容です。
私は現役4tトラック(箱車)のドライバーですが、本記事を書いた時は4tトラックを運転しだしてから3ヵ月程経った時です。
トラックドライバーとしてはまだまだ初心者の部類に入ると思いますが、初心者であるからこそトラックを運転して難しかった点、苦労した点等がまだしっかりと覚えていている状態だと言えます。
トラックの運転が未経験の方がトラックドライバーを志望すると、ほとんどの会社は運転に慣れるまでベテランドライバーの横乗り(隣に乗って運転のアドバイス等を行ったり仕事内容を教える事)があります。
本記事では、初心者トラックドライバーだからこそ伝える事が出来る部分(ベテランドライバーが既に体や感覚で覚えているからこそ教えられない様な細かい点)まで触れていきますので、これからトラックを運転する機会がある方は参考にして下さい。
トラックの運転で乗用車よりも難しい点と対処法
トラックを運転する時は乗用車の感覚で運転してしまうと危険な目に遭う事がよくあります。
私が4tトラックを運転しだした時に特に乗用車と違うと感じた部分を挙げていき、またどの様に対処していくべきかポイントを挙げていきます。
左後方の死角が広い
特に箱車トラックの場合は左斜め後ろの死角がとても広いので要注意です。
乗用車の場合は後部座席に窓があるのでミラーに死角があってもほとんどの場合は目視すれば対応出来ますが、箱車トラックの場合は運転席の後ろはすぐに箱があるので目視してもほぼ見えません。
画像を見ると右側よりも左側の方がいかに死角が広いか分かるでしょう。
※右側の死角については後述します
ちなみに高速道路のサービスエリアやパーキングエリアの駐車場は下画像の様に通路に対して右斜めに停める事が多いですが、この角度からそのまま出ると通路を走る車は死角でほぼ見えないと思って下さい。
駐車場から出る時はハンドルを少し左に切りながら出た方が安全確認しやすくなります。
トラックは左側の死角が広いので左折時や敷地(コンビニ、荷主先等)から右折で出る時は特に注意しなければなりません。
右前のピラーとミラーが死角になる事が多い
乗用車を運転している時にも右前のピラーが邪魔で歩行者等が見えなくて危険な目に遭った事がある方は少なくない筈です。
トラックの場合は更にピラーが太くてかつミラーもあるのでで乗用車よりも更に死角が広くなるので注意が必要です。
車幅が広い
トラックは乗用車よりも車幅がかなり広いので最初は車幅の感覚を掴むのに苦労する場合があります。
特にありがちなのは乗用車の感覚で運転すると左側に寄り過ぎる傾向があります。左側に寄り過ぎると標識や街路樹などにミラーや車体をぶつけてしまう人が多いので注意しましょう。
リアオーバーハングを気にしなければならない
乗用車しか運転した事がない方の場合はリアオーバーハングという言葉も知らないという方が多いのではないでしょうか?
リアオーバーハングとはハンドルを切った時に,後輪よりも後ろにある車体部分が切った方向と反対側に車体がはみ出す現象です。
文章だと分かりづらいので下の画像を参照して下さい。
画像引用元:愛知県の運送会社:チャーターズカンパニー
つまりハンドルを右に切ると左側後方の車体がはみ出し、ハンドルを左に切ると右側後方の車体がはみ出すという事です。
後ろや隣にいる車やバイクはそもそもリアオーバーハングという危険を予知できない人も多いと思うのでトラックドライバーが気を付けなければなりません。
揺れが大きい
普通車でもバンやミニバンを運転した事がある方なら分かると思いますが、車高が高い車は風の影響を受けやすく、また道路の段差やガタガタ道等では結構揺れます。
トラックの場合は更に揺れが大きいので注意が必要です。
特に荷物を積んでいる場合は荷物の重さで左右に揺れ続ける場合があるので更に注意しなければなりません。
トラックの運転のコツ
今まで説明してきた乗用車とトラックの違いを踏まえながら、トラックの運転のコツをまとめていきます。
左折のコツ
トラックは乗用車に比べて車体が長く内輪差が大きいので特に左折が難しいです。
ハンドルを早く切り過ぎてしまうと内輪差で曲がりきれない場合があるので慣れないうちはイメージよりも遅くハンドルを切って左ミラーで曲がりきれているかどうか確認しながら曲がりましょう。
また左折の場合は反対車線にはみ出すという前提で反対車線の安全確認を行いながらゆっくりと曲がります。
直進のコツ
トラックを運転する時に直進で厄介なのは信号の変わり目です。
トラックは荷物を積んでいる時は制動距離がかなり伸びるので信号の変わり目は要注意です。コツとしては歩行者信号を見ながら歩行者信号が赤になったらエンジンブレーキや排気ブレーキでスピードを緩めながら進むと対応出来る事が多くなります。
また直進でも轍が深いとハンドルを取られて蛇行運転になってしまう場合があるので轍もよく見ながら運転しましょう。
右折のコツ
曲がる事に関しては左折よりも右折の方が簡単ですが、右側のピラーやミラーが邪魔になって歩行者等が見えなくなる場合があるので、必ず見えなかった部分の安全確認を行ってから曲がる様にしましょう。
またトラックは加速が鈍い上に車体も長いので直進車がいる場合は無理に入り込まない様にした方が無難です。
シフトチェンジのコツ
MT車に限った事ではありますが、トラックの場合は荷物を積んでいると特に低速ギアでのシフトチェンジの時に変速ショックが大きくなります。
コツとしてはクラッチを切る時はゆっくり踏んでゆっくり繋ぐ事です。
ゆっくり繋ぐ事に関しては、ほとんどの方は理解していると思いますが、ゆっくり踏む理由について説明します。
クラッチを素早く踏むとエンジンの動力が急に切れてしまうので加速あるいは減速している状態から急に等速運動になるので、速度差により変速ショックが生じてしまいます。(荷物を積んだ状態だと積荷のぐらつきも感じます)
クラッチをゆっくりと踏む事によってクラッチが滑りながら動力が切れていくので速度差が緩やかになり変速ショックが小さくなります。
なのでクラッチを踏んだ時に変速ショックが生じる場合はゆっくり踏んでみましょう。
バックのコツ
トラックドライバーとなると荷卸しを行う時は、バース(荷降ろしを行うスペース)にバックで入れる事がよくあります。
トラックは乗用車よりも車体が長いので感覚を掴むまでは最初はバックも難しく感じるでしょう。
バックのコツとして、慣れないうちはミラーに障害物が見えている状態の時は無理してトラックを動かさずに一度トラックから降りて目視してどういう状態なのか確認する事をおすすめします。
降りて目視する事を繰り返していくとだんだんと感覚が掴める様になっていきます。
また降りれない状態の時は無理して進まずに一度前に出てミラーに障害物が何も映っていない状態になるまで車体を立て直して(バースに対して垂直に近い状態)いきましょう。
これからトラックを運転する人に伝えたい事
私が4tトラックを初めて運転した日は、とにかくショックを受けました。
横乗りしてた人にはボロクソ言われ、また自分で運転していても下手だという事も分かってたからです。
正直言って初日は「4tトラックを自分は乗りこなせる様になるだろうか?」と思いました。
ところが2日目、3日目と走ったところ、横乗りしている人から「初日は酷かったけど、2日目、3日目はだんだんと上手くなっているから大丈夫だよ」と言ってくれて何とか今に至っている感じです。
意識した事は自分でダメだと思った部分を出来る事から修正していった事です。
最後にこれからトラックを運転する方向けてにアドバイスをします。
最初からトラックに上手く乗れる人なんてまずいません。
初心に返ってゆっくり確実に運転していきましょう!
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